創作・エッセイ

マーク・エドモンド・ジョーンズの7タイプ分類

 マーク・エドモンド・ジョーンズについて調べていたら、バンドル型・バケット型などの分類はマーク・エドモンド・ジョーンズが作ったものらしくて、この記事を読んでみて、もしかするとこの分類はアスペクトを元にして作られているのでは……と思ったので、元の説明とその背景をまとめてみます。

 まず、この七分類は、三分型・二分四分型・分類不能型に分かれるらしくて、三分型にはバンドル型・ロコモーティブ型・スプレー型があり、二分四分型(長いので二分型と書きます)にはボウル型・バケット型・シーソー型があり、分類不能型はスプラッシュ型と呼ばれています。

バンドル型

 バンドルは束のこと。全ての天体が120度or4つの星座の中に収まるようにあって、狭い領域内での集中したエネルギーを持つ(天体の配置からしても納得できる)。関心・視野が狭くなりがちで自己完結的。

ロコモーティブ型

 240度以内に散らばっていて8つの連続した星座やハウスに跨る。時計回りで見たときに天体のつながりの先頭にある星が重要な機能を持ち、その星が残り9つを牽引する機関車のように見えることから。缺けている120度のところを埋めようとして努力する。人々からはずっと自分が抱えてきたものを理解されるのを待つ。

スプレー型

 Splayは大きく広げるの意。三本の脚のように天体があって、その間には何もないサインが最低一つはある。グランドトラインはスプレー型の特性に含まれる。理想を追い求め、技を育てるような個人主義者。周囲の束縛を嫌う。ただし、別の技とのつながりを欠くことがあり、それを補ってくれる人がいた方がいい。

ボウル型

 お椀のような形で、天体は半円状にある。自己充足的で強い価値観の核があり、このタイプにとって難しいのは欠けている側の性質を統合すること。

バケット型

 ボウル型に似ているけど、バケツの把手のように一つだけ離れて星があり、この離れた星が残りをまとめるように作用する。人々から独自の才能を認められたいと思うけど、人々の求めるものに合わせるより、自らを発掘させたい。一つの目的に向かって果敢に動いて、ただ毎日止まっているのは好まない。

シーソー型

 天体が二極に分かれていて、間には60度または2つのサイン分の空白がある。このタイプの人はシーソーのように、二つの対極的な価値観の間を行き来する、かなり不安定そうで統合の難しい感じになる。ただし、うまく統合できると、洗練されて多くの状況に合わせられる物腰も身につく。

スプラッシュ型

 あるいは分類不能型。不規則な水沫のような形になっていて、七つ以上のサイン・ハウスに跨るタイプ。多くのことに興味を持っていて、様々なことをしたいと思っているが、好きなものが多すぎてエネルギーが散乱してしまうことがある。

 まず、三分型は概して自己完結型(バンドル型・スプレー型)、二分型は内面の調整が難しい(ボウル型・シーソー型)らしいです。あと、スプレー型についてはグランドトラインはこのタイプに含まれるとあるので、グランドトラインが同じ性質だけで自己完結しがちな点と合わせてみると、バンドル型はトライン・ミニトライン型、スプレー型はグランドトライン型になりそうです。

 一方のボウル型は半円なのでオポジションが出来やすいタイプで、バケット型もそれに近く、シーソー型も二極なのでオポジション化しやすいです。そう考えると、三分型はソフトアスペクト型、二分型はハードアスペクト型、分類不能型は混在型になります。

 というわけで、いままで読んできた例などを使って、アスペクトとそれぞれのタイプの特徴がどのように関わるかをみていきます(推測ですが)。

バンドル型

 バンドル型らしいなぁと思うのはデュアン・オールマンです。天王星を除けば、完全に120度に収まる配置です。120度で分けたときに最も思いつくのが、一人称・二人称・多人称のサインの分類で、デュアンはほとんどが二人称の世界です。グループ内での結束を深めて(蠍座)お互いに魅せたり(獅子座)、引き立てあうようなアレンジ(天秤座)をしながら、みんなで高みへ(射手座)みたいな感じがある(その割に熱さがほどほどなのは天王星が加わるからだけど、天王星なしだとこういう感じという例で)

スプレー型

 スプレー型は今まで読んだ中では北原白秋が近いです。地・風の星座すべてに天体があって、その間にある火・水は全て空白というタイプで、地・風のグランドトライン的な性質を持ちます。平易な言葉(双子)で自然の風景(牡牛)を、伝統的な美意識を継ぎつつ(山羊)本質化・普遍化する(水瓶)みたいになって、冷え寂びた幽玄な自然詩のような世界で、偏りはあるけど美しいです。

シーソー型

 両側に2サイン分の空白があると中心にはオポジションが出来やすいので、その周りにはメディエーション・カイト・Tスクエアなどが生まれやすいです。先の説明にあった統合が難しい二面性とは、このオポジションに由来していて、このタイプの典型はブロンズィーノだと思います。

 ブロンズィーノの二面性のある眼は、社会天体や火星などが表向きに求めてくる高い理想や蟹座風の協調は、自らの重苦しくて古雅な中でも幻想的な好み(金星・海王星合)とうまく合わず、蠍~魚的な他者との絡み合いや不規則さに生きている方が素の状態に近いみたいになります。ただ、蟹座の三天体も濃く現れるので、公的な典麗さも兼ねているという作風になって「洗練された物腰になる」ですかね(ちなみにミケランジェロは上下逆になったブロンズィーノのようになっており、むしろ天上的な高みに自らが全く及ばないのを苦しむ)

ボウル型

 ボウル型はなんとなく納得できる。片方の半円が全て缺けているので、たとえば牡羊~乙女座がない人は、他者に関心が向きがちだけど、自分の内面や生活にはあまり気がつかない、蟹~射手座がないと私とみんなとしては見るけど一対一で関わるようなことは思いつきづらい等です。

 ただ、本人がそれでいいと思いがちなので、もう半分の性質を統合するのは難しい上に、半円を作るオポジションが基調にあるので、Tスクエア化すると内部での調整に苦しみ、メディエーション・クレイドル化するとその中に定住しがちという背景で、「何もない方の半円は難しい」ですかね……。

バケット型

 どちらかというと、これは体感として最も納得できる。自分語りであれだけど、ほとんど火星が把手のバケット型持ちなので、獅子座的にいろいろと表に出ることや発散するようなことをしたいけど、牡牛座太陽・蠍座冥王星はもっと感覚・感情を深めよといい(90度)、山羊座月・山羊座海王星ももっと伝統の本質を完成させたがるので(150度)、その表現の前には様々なものが塞ぐようにあって、それでも……のようにさまざまな天体と関係を持つことになる(複合アスペクト化することも多くて、複合アスペクトを束ねる天体として重みを増すorノーアスペクトでも異質な天体が一つぼんやりと蔽うように効くみたいな)。

(個人的な感覚では、たぶん「自らを発掘させたい」は内面の折衷に苦しんでいるので、もう他のことはする気がありませんという怠慢ですね……。ロコモーティブ型の「人々に抱えてきた物を理解されるのを待つ」もたぶん同じ背景だと思う)

ロコモーティブ型

 例が思いつかなかったけど、たぶん例えば牡羊~蟹座が欠けていると、一人称の感覚を持っていない。でも二人称・多人称の世界はほとんど知っていて、獅子座はまだ一人称的な雰囲気を残した二人称(天秤座などに比べるとかなり一人称的)なので、獅子座にある天体は一人称的な機能の代わりも兼ねる。

 あるいは蠍~水瓶座が欠けていると、蠍座は深い関係によって生まれる感情に通じていて、射手~水瓶座はこの世界はどういうふうになっているかを知りたい星座なので、それがないホロスコープでは魚座の幻想性によって「多くの人々は……」みたいなことを考えることになるみたいな感じですか……。

スプラッシュ型

 たぶん様々な取り組み方が雑多になりがちという意味です。今までみた中ではドクター・ジョンがそれです。ドクター・ジョンはニューオーリンズが持っている様々な面をどっぷりと含んだ芳醇で深みのある音楽を作るので、雑多で多彩な資質が生かされている気がする。具体的には古めかしい美しさ(山羊座金星)もあれば、不気味なディープさ(蠍座太陽)、狭い中だけで通じる言葉(蠍座水星)、荒々しい野趣(牡羊座火星)、瑣末な街の物陰のざわめき(乙女座海王星)など、いい意味で混沌とした感じになります。

 こんな感じで色々と書いてみたけど、マーク・エドモンド・ジョーンズの感性って独特です。サビアンシンボルを作ってみたり、ホラリー占星術で独自理論を考えたり、あるいはサインの性質とアスペクトの関係を天体の配置ごとにまとめたりと不思議な読み方をしている気がする。

 もっとも、このタイプ分けは完全にその通りに当てはまらない人も多そうなので、例えばバンドル型っぽいけど一つだけ離れている天体を入れるとボウル型になる・シーソー型だけどそれぞれの側で内部にスクエアを含んでいるのでアスペクトがより複雑になり、それでも天体の割合的には両端に寄っているので90度を含みつつグループを作るなど、派生種が多く居そうで、それを大きくまとめたみたいな感じで作ったのかもしれないですが。こういう視点でホロスコープをみてみると、大枠を捉えつつ、その内部の関係が見えやすくなっていいかも(サインの性質でホロスコープを分ける読み方は、ポントルモの記事で蟹~山羊座のクレイドルとそれから抜け出す双子・水瓶座トラインというときにも使ったので、それをより定式化したのがジョーンズの分類かも)

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ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)の月天王星海王星合だったりします笑。 易・中国文学などについてのブログも書いてます

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