実体験

ルシエル先生の鑑定を受けた話

 このブログでは、色々占星術のことを書いたりしていますが、実は占い師の人にみてもらった経験が無かったので、もし機会があれば……と思いつつかなりの期間を過ごしてきたのですが、占星術界ではかなりの大家 ルシエル先生の公開鑑定会(オンラインサロンの教材として使う代わりに安く鑑定を受けられるという企画です)があって、応募してみたら空きがあったということで鑑定していただいた感想(+雑談)などを書いてみます。

 まず、公開鑑定会は60分で3000円という破格の安さなのですが、その読みはすごい熟練度……という感じでした。そして、双子座水星&太陽ということもあって多彩な比喩が切れ味抜群……という感じです。というわけで、鑑定していただいた内容を整理するつもりで大まかに書いてみます(有料講座用の内容をブログに書いていいのか微妙ですが、大意だけだったり一部削ったり、自分なりの感想を混ぜたり順序を変えていれば、鑑定内容そのままではないから……そもそもこんな弱小ブログを誰も読まないけど)

悪趣味なミセ

ルシエル先生「それじゃあ、まず自分にとってどういう生きづらさを感じているとかありますか?」

自分「……大学・大学院では文学について勉強してきて、ここ数年トランジット冥王星が月・海王星の合に重なるようになっていたので、月と海王星のサビアンのこともあって、さらに文学方面の勉強を深めていたのですが、それをやっていても今一つ仕事として何かにつながる感じがしないというか、これからどういう方向性で物事をすすめていくと良いのかがわからない……という感じです」

ルシエル先生「なるほどね。そう、そうなんだよね。うちも父が日本画家、母が詩人というような家系だったから分かるのだけど、そういう勉強ってお金にならないんだよね」

(ルシエル先生の父は小林恒岳先生という画家で、ちょっと調べてみたのですが、想像以上にすごい絵を描く方でした……)

ルシエル先生「それで、この8室の太陽リリス、あと水星をミーン(平均化された)リリスが合っていうと、リリスって“変なもの”という意味があって、8室だと古道具屋・骨董商みたいな次々に流れてきて出ていくみたいな場が8室(それが牡牛座なので“物”。水星もリリス合だと、そういう情報を拾う能力もある)、さらにはあまり普通の人が近寄りたがらない場(ホラリーでは8室を“ゴミ箱の中・下水”みたいに読むことがある)、リリスも表向きは封印されている変なもの、あるいは悪趣味なもの(ルシエル先生独特の比喩では“リリスの世界観ってダークファンタジーなんだよね”とのこと。本能的なものを孕みながらも少し毒々しい雰囲気をダークファンタジーを喩えるセンスがすごいです)、たぶんふつうの人がもらって困るような悪趣味なものなんだよね。何かそういうもの貰ったりしてない?」

自分「してないです」

ルシエル先生「じゃあ、これから貰いますよ」

自分(それはちょっと楽しみかも)

ルシエル先生「うちの父の絵も、たまに古本屋とかで売りに出てて何枚か買い戻したりしているけど、その古本屋の主人に云わせると、“私がとりあえず拾っておかないと、価値がわからない人に捨てられてしまったりするから、とりあえず買っておいて、それでご家族の方が買ってくれるなら、在るべき場所の戻したということなのですよ”ということで、それが8ハウスなんですよ。リリスだからそれが悪趣味だったりするのね」

 ……なるほど、8ハウス観がかなり書き替えられます……。どうでもいいけど、8室リリス的な人物として後で思い出したのが『HOLic』の壱原侑子だったり……。「世に不思議は多けれど、どれほど奇天烈、奇奇怪怪な出来事も、人がいなければ、人が見なければ、人が関わらなければ、ただの現象・ただの事柄……」という不思議な事柄があつまってくる侑子さんの店、というイメージなのですが、あやかし関連の依頼が来るのがリリス的です。

 どうでもいいけど、『HOLic』と『ローゼンメイデン』の写意表現って、漫画としてはかなり稀にみるもので衝撃的だった記憶があります(特に言葉が空間の中にとけていたりする雰囲気だったり、描写なのか図式なのかわからない感じって不思議で不気味な世界観をすごく似合ってました)。あと、『HOLic』の表紙絵って濁りのある色調が骨董感にあふれていて、なんとなく古越瓷色です。ちなみに『HOLic』を知らない方の為に書いておくと、壱原侑子という店主(骨董屋と何でも屋が混ざったような店)のもとに相談に来る人たちの澱み搦まった奇怪なこと(澱んで滀まった下水のような)を不思議な方法で捌いていく、というストーリーで、表向きは伏せられている(リリス的な)物事が流れ込む淵や溝渠(8室)という話の性質っぽい気がします(この辺は雑な喩えだけど)。

リリスのダークファンタジー

 というわけで、リリスのダークファンタジー感と小林恒岳先生(ルシエル先生の父)の話題が出た流れで、鑑定中には出てこなかった雑談なのですが、ちょっと余計なことを書かせてください……。

 まず、これが小林恒岳先生のチャートなのですが(レクティファイはルシエル先生がしている)、ちょっと見させていただくと

 まず、この絵に漂う、見たことがないような“ねっとり感”……(茨城の霞ヶ浦みたいな下流の湖ってこういう水色なのかもだけど。どことなく怨嗟の声がするというか、物悲しい色です……)。

 調べてみると、1970年代に霞ヶ浦の水が汚れていくことへの問題意識から描かれた作品も多いとあって、しいてホロスコープと合わせると、MCキロン合はキロン(癒せない傷)のサビアンが牡牛座23度(自然界の物質的な豊かさ)で、一生の功績(MC)と重なっているのが水が汚れていくことへの怒りと癒されない悲しみ、リリス火星合は、リリス(封じられている悪趣味なもの)と火星が牡羊座23度(純粋な生命の讃美)で合なので、その中で生きている植物や鳥たちへの生命崇拝・自然美崇拝なのかもです(牡羊座リリスなので、一種ねっとりと不気味で薄暗い生命力というか、それがMCキロン合と30度なので、作品として支え合っている印象なのかもです……)。

 このキロンの悲しみを、不気味な怨嗟と毒々しさに混ぜて出てくるのがリリスなのか……と納得したような(牡羊座の生命力がリリスの薄暗く“ダークファンタジー”な色に塗られているというか……。この花のもやもやした感じとかすごくそれっぽいです)。

 一方で、こういう可愛い小品もあるのですが、

 これについて昔ルシエル先生が

昔、父は年末になると「ちょっと偽札刷ってくる」といって画室に籠り、小さい色紙に来年の干支の絵をかいて近所の人に配っていた。それがしばらくするとお礼としてお酒や商品券などになって返ってきた。(引用元はこちら

という話をかいていて、これが金星(美術品)の牡牛座的側面と天秤座的側面を表している、としていたのですが、この絵をもらったら確かに商品券あげてしまいます笑。

 それ以外にも、こんな感じで、淡い悲しみに濡れた春雨だったり(不気味な粘り気があるというか、リリス火星と合になっている天王星が、独特のエレクトリックな化学薬品みたいな緊張のある色なのかも)、晩年の山の絵だったりと魅力的な作品が多いです。(あと、同じ化学薬品でも、海王星はぼんやりと溶けるような薬品、天王星は的皪として目の覚めるような薬品というイメージです)

 というわけで、鑑定の内容に戻るのですが、

ルシエル先生「それで、この太陽のサビアンって、牡牛座の26~27度で、この辺って自分もPOFがあるから何となく実感があるんだけど、ちょっと怪異現象みたいな度数なんだよね」

(……もしかして、ルシエル先生独特の霊的サビアン解釈……!!YouTubeでサビアンの絵を解説するときに、かなり独特な実例が垣間見えてものすごく興味があったのですが、怪異現象なんですね……)

ルシエル先生「これってあれだよね、民芸品を売っていた女性が声をかけられて別の世界に連れ出されることになって……という流れで、土着の呪物とか土俗的(牡牛座的)なものが外に流れ出ていく(双子座化していく)様子だから(牡牛座第6グループ:美意識を社会に訴える芸術家気質)、それがリリスだとすごく悪趣味で不気味なものが世に流布していく、みたいな意味なんだよね。ところであなた、かなり独特なファッション……」

自分「……まぁ、これでも一番ふつうなものを選んだのですが(笑)」

ルシエル先生「ふだんもっとヤバいの(笑)」

自分「探したのですが、ふつうの服が無かったんですよね(笑)」

ルシエル先生「もしかしてゴスとかそういう系?」

自分「……系統は違うかもですが、まぁ似たようなものだと思います(いろいろ細分化されているけど、まぁ外からみると一緒なのもわかります笑)。そういえば、中国の通販でかなりどぎつい極彩色の服とかよく買います」

ルシエル先生「そういう悪趣味さがリリス」

(……ルシエル先生が、過去に昆虫食とリリス、あるいは街に漂う游魂とリリスを絡めてチャートを読んでいたことがあって、“リリス=秘密の欲求”だと何故そういう解釈になるのか謎だったのですが、ダークファンタジー的な隠れて薄暗いもの、と読んでみると一気に納得できます。)

3室射手座木星(+雑談)

ルシエル先生「3室の射手座木星は、射手座が海外、3室が身近な場所だから、海外でも近場でちょっと行ったり、あるいは短期滞在で何度も行ったりする感じだね。t木星がn太陽と合になるときに何かつかめるといいけど」

(……たぶんですが、ホラリーチャートとかで最初にルーラーを分配して、その後にトランジットやソーラーアークで合になったときに成就する、みたいな読み方があるので、それに近い理論だと思います。細かい説明は省いていたけど、ものすごく熟練した読み方……。公開鑑定の閲覧メンバーになりたい気がしてきた)

ルシエル先生「たぶん、どうしても浮世離れしているんですよ。」

(月海王星アスペクトは社会不適応アスペクトというより、高踏遊民アスペクトとでも呼ぶべき、とかいつも思っている笑。どうでもいいけど、個人的に惹かれる人はみんな月海王星のつながりがある気がする。例えば、ルシエル先生は月海王星120で魚座月、夢葉ねこさんは月海王星60度、キャトロの星の庭に作者さんは月海王星90、泉鏡花と北原白秋は牡牛座で月海王星合、アイヴィ・ヤコブソンは月海王星90でAsc蟹座なのでAscルーラー同士で90度……。何ていうか、あの文章から漂う飄忽として物悲しい感じと、霧のような哀怨さ……)

前世のこと

ルシエル先生「多分、社会に適応するとかは難しいと思うから(まぁ、そうなりますよね笑。なんとなく分かってますが)、好きなことを貫いた方がいいと思うんだよね。それと、たぶん前世の影響が強すぎるんだよね、ある時期に自分でそのつながりが自覚できたときに物事が加速すると思いますよ」

(注:おそらく進化占星術系の流儀だと思います。冥王星のアスペクトが多いor冥王星が目立つ場所にあると濃密な前世とのつながりがある、と読むのですが、自分は前世は見えない笑。ちなみにルシエル先生は見えるらしいです。でも、具体的に何だったかは云ってなかったので、自分で知るのが大事なのかもです。“前世の影響が自覚できる”なので、別にみえなくてもいいのかもです)

その他の情報

・ソーラーアークICとn天王星が2025年に合
来年あたりに引っ越し(あるいはライフスタイルの変化)がありそう

・ソーラーアーク金星とn Ascが2025年に120度
好きなことを押し通した方がいい。太陽リリス合なので、際どいもの・悪趣味なもの・ふつうの人が貰うと困るもの

・土星回帰をどうやって過ごすといいですか(こちらからの質問)

ルシエル先生「12室&魚座過多で、土星だけでなくノースノード・太陽・海王星合。出生図では6室に入るので、どこかに雇われているけど(6室)、外からみると何をしているか分からない隔絶されたところに入ったままで(12室)前世からのことへの気づき(ノースノードは前世からの影響を踏まえて向かう先を示すので)。月は8室で親との関係は問題なかったら、実家に寄生というか依存もありだと思う」

(太陽は人生の目的・目指す方向性、海王星は幻惑的な理想。どうでもいいけど月は8室サーペンティスと合&Ascルーラー火星とミューチュアル・レセプションなので、何か変なものが氾濫している中に嵌り込むとか……?水過多でグランドトラインって、土星魚座・ノースノード蠍座・冥王星蠍座・MC蟹座みたいに課題系がすべて水星座の自分としてはなかなか普段からは外れた展開が起こりそうだけど)

・その他アドバイス
人は見かけどおりの仕事をするといい。「異様なファッションで納得されるような仕事をするとうまくいきますよ。」

・観覧者の方の読み
小さい店舗で輸入物を扱う。月が4室なので、自分のフィールドで。来た人がゆっくりできる場を整えるといいかも。

・太陽火星冥王星のTスクエアが気になる(byルシエル先生)
いじめとはは小中学校時代にはあったけど、事件に発展したりとかはないです笑。この件については、そろそろ一時間経っているので時間切れで深掘りせず。(ちなみに、ルシエル先生は乙女座冥王星・魚座月・双子座太陽でTスクエア。YouTubeで聴ける冥王星エピソードは凄まじいと云うか、やはり自分はアングルから外れていてメディエーションが入っている分、そこまで凄い展開は起こらない&激しさと唐突さが無いタイプです。勝手に人のチャートを読むのもどうかと思うけど……)

総括

ルシエル先生「やっぱりAsc天秤座、金星太陽が8ハウスで牡牛座って、それになると思うんだよね(先に書いた美術品の喩えのように、独特の癖とか臭味のある牡牛座性を流布させる天秤座、あるいは民芸品の牡牛座と商業化の天秤座みたいな。Asc天秤座だと、一応は商業化されているけど、売っているものは土着性があってリリス的に悪趣味)。」

 ちなみに、リリスのダークファンタジーって、暴力とか性とかグロというより“千と千尋”とか“まどかマギカ(特に魔女の結界)”とか“HOLic”の絵柄みたいに非日常的なケバケバしい濃鬱さ・ゴテゴテぎとぎと感が近い印象かも。

ルシエル先生「好きなことを実現する方法は、まずは箱庭的に、小さいことからでも実現していくんですよ。たとえば、最初は自分の部屋の中だけでも好きなものを並べてみて、そこから少しずつ広げていって、たとえば実家暮らしでも一部屋だけ小さいアパートを借りてみてそこを拠点にしていくように、だんだんと広げていく。あと、お店のモデルを探しておくというのも大切で、こういう場をつくりたいというのを集めておくといいですよ」

 鑑定の内容は大体こんな感じでした。ホロスコープ全部を読んだわけではないけど、大事なところはすべて触れている感はあります&これで3000円は安すぎです(あと、ルシエル先生はけっこうスピリチュアルなイメージがあったのですが、鑑定はもはや普通にテクニカルというか熟練のリーディングという印象です。特に土星回帰図を出したときも殆ど10秒くらいで読んでいて、月回帰図とかを通していろいろなチャートを体感しているのが伝わってきて改めてすごいと思ったりしていました)。

 ところで、土星回帰について調べていたら、こんな怖い投稿をみつけたのですが、……5年もやらなきゃなのですか……?!

29歳のときのサターンリターン。このあと5年間のニート生活。12Hに土星と太陽と水星、5ハウスの獅子座7度は自分の魂の神話探しの日々だったことがわかる。サビ:輝く星座。「人間は自己神話化する動物」というテーゼを立証しようとしていた。ビジネスより仲間探しのための「旅する占星術師」だった。(ルシエル先生のXより)

 あと、文学で大学院まで行ったりすると、売ることに関わるとかいう選択肢がそもそも出てこなくなります。もっとも、8室だと自分のものというより或る種の借り物という面もあるから、自分で何かを生み出すというより借りてきたものを流して代わりに何かが入ってきて……みたいな活かし方なのかもです(ルシエル先生曰く「8室は縄文的」で、もっている人が周りにも当たり前に出して、もってない人は当たり前に貰うとのことで、非私有の感覚でだらだらどろどろと繋がっている沼地みたいな空間なのかもです)。

動画が公開されました(後日譚)

 ルシエル先生のチャンネルで動画が公開されました(YouTubeに生まれて初めて出演した笑)。見直してみるとけっこうメモから抜けているところ多いですね。何度でも見られるのはとても嬉しいです。あと、動画であらためて気づいたのですが、こんな声しているのですね……(インタビューで音声を変えている人の声みたいになっていて、かなり悪い意味で衝撃だった。思っていたより高いというか。それと、他のひとの動画もみていて、みんな色々大変なんだなぁ……と思ってしまいます)

ABOUT ME
ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)の月天王星海王星合だったりします笑。 易・中国文学などについてのブログも書いてます

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA