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星座とハウス、太陽・月・アセンダントの違い

(たぶん誰もが感じると個人的に思い込んでいる)星座とハウスの違いが分からない問題、太陽・月・アセンダント(太陽は人生の目的、月は安心感のある在り方というのはわかるけど、アセンダントの第一印象って何?&第一印象ってそんなに大事なの?)の違いについて書いてみます。

(ちなみに、この記事とけっこう話は重なる面もあるので、そっちを読んでいる人にとってはやや冗長かも。まぁ、向こうは古典とモダンの違い、こっちはアセンダントについての記事ということで……。ちなみにこの記事では古典とモダンを混ぜている感があります笑)

星座とハウスは担当する語彙が少し違う

 まず、星座とハウスの違いが分からなくなりやすい原因として、どちらも似ている意味になりがち……というのがあると思います。たとえば

牡羊座:自分の考えがある
1室:自分色が濃い、その人らしさがある

という点に似ている感がありますが、牡羊座らしさ(積極果敢、行動力がある)などは1室には出てこないです。もし1室が天秤座だったら、“その人らしさ”は周囲の状況をよく見ている&調整力に優れる、みたいになります

 同じく、魚座と12室も似ている面はありますが、

魚座:想像力や共感力がある、曖昧さを気にしない
12室:隠された感情・自分でも気づかない一面

みたいになるので、仮に12室が水瓶座、1室が魚座だとすると、魚座らしさが全面に出ていて、水瓶座らしさは自分にとってほとんど気づかないくらい奥に隠れている感じになります。

 なので、一部では星座とハウスで似てしまう語彙はあるけど、それぞれ根本にある意味は別のもの、みたいに思います。

 ちなみに、星座をハウスが似てしまうのは、例えば12室に月やステリウムがある場合、自分でも忘れている一面に気持ちが向かいやすいので、曖昧茫漠としたものや隠れた不安や感情などに深く通じている様子が魚座っぽいと感じさせるから(?)みたいに思ってます。

 でも、12室水瓶座に月や太陽、ステリウム、Ascルーラーなどがあると、隠れた不安などに向き合うときにも、かなり抽象的で独自の理論が出てきそうです。あるいは、12室山羊座にステリウム、太陽・月・Ascルーラーなどがあれば、古い文献などに基づく方法を好んだりしそうです。

星座はエッセンシャル・ディグニティ、ハウスはアクシデンタル・ディグニティ

 エッセンシャルは「本質的な、根本的な」、アクシデンタルは「偶発的な」の意です。なので、入っている星座によって天体の性質がそのまま濃く出せるか、歪めて抑えられてしまうかを決めている星座は、“天体の根本的、本質的な状態”です。

 一方、入っているハウスによって力が埋れやすいか否かをきめるハウスは“天体の偶発的な状態”が良いか否かをあらわします(もともと力があるかは関係なかったりします)。すごく雑に例えると、ある宝石の原石があったとして、その原石の大きさや状態がいいか悪いかがエッセンシャル・ディグニティ、掘り出されて加工されているか埋もれたままかがアクシデンタル・ディグニティです。
(本質的にいい原石か、偶発的に掘り出してもらえるか埋もれたままか、みたいな)

 なので、木星が射手座にあれば自由に探求できるけど、山羊座に置かれると着実で早い成果を求められるので、木星の楽観性や善意などが抑えられます(エッセンシャル・ディグニティ)。でも、射手座の木星が埋もれがちな場所に置かれていたら、あまり目立たないかもね……みたいになります(アクシデンタル・ディグニティ)。

 そして、ハウスの区分は、アングル・サクシーデント・キャデントの三種類があるのですが、1・2・3、4・5・6、……というより、12・1・2、3・4・5……のような感覚が近いと思います。

 これは、サクシーデント(succedent:継いでいる)がアングルを継いでいる、キャデント(cadent:落ち窪んでいる)はアングルからみて凹んでみえづらい場所という組み合わせになっています。

 なので、たとえば12室は自分(1室)の裏に埋もれた“自分でも気づかない一面、日の当たらない窪地”、3室はみずからの育ってきた基盤(4室)の周縁に追いやられた“その家の周りの状態、みずからの本根にならなかった雑多な知識”みたいになりそうです。

 あるいはサクシーデントだと、8室は“私の配偶者の所有物(7+2室)、自分がきっかり保たれない共有領域”、11室は“仕事をつうじて得るお金(10+2室)、自分一人の功績を超えたもの(気の合う友人・希望など)”……みたいになります。

(この辺はモダン寄りの説明に、無理やりハウスの三区分を入れている感もあるけど、今回はとりあえずこれで行きます……)

 そして、アングルは強く、サクシーデントはまぁまぁ、キャデントは埋もれる……みたいになります(アングルは、1室:自分、4室:育ってきた家、7室:一対一の関係、10室:外向きの地位みたいな感じで、外からみて分かりやすいところなので、そこにある天体は濃く感じられます)。

 なので、たとえば山羊座の月(デトリメント)がアングルにあると、感情が出しづらい&どこか張りつめている感じがその人らしさとして出やすい……という感じになります。

キャデント・アングル・サクシーデントの強さ  よく占星術のルールとして、アングル:強い、サクシーデント:まぁまぁ、キャデント:弱い……みたいに云われるけど何故?とか思っているかも...

アセンダント以外はすべて外物

 これはホラリーとかを幾つか見ていると何となく感じることなのですが、現代占星術(特に出生図)では

1室:自分らしさ
2室:私が財産を得る方法
3室:私の周辺・基本的な知識との関わり方
4室:私の家族との関わり

みたいに、すべて“私の一側面”になっていて、却ってアセンダント(1室)が分かりづらいのですが、ホラリーでは

1室:私
2室:私の財
3室:私の周辺
4室:私の家・家族

のようになっていて、たとえば私(Ascルーラー、1室の天体)と家族(4室ルーラー、在室天体)の関係が良ければ、良いアスペクト&良いレセプション、関係が悪いor悩まされるならハードアスペクト&レセプションなし、アスペクトもレセプションも無ければ良くも悪くもない(心に占める割合が小さいという意味での“無縁”みたいな)……というふうになります。

 なので、Asc水瓶座、太陽は7室獅子座だったら、人との関係の中で太陽(人生の目的)はもたらされる、みたいになります。

 さらに土星(Ascルーラー)が11室射手座だったら、その人の雰囲気としては冷淡で自由、広い関係をもつことに抵抗は無い雰囲気で、どこへでも行くけど芯はクールな感じになります。

 ですが、7室獅子座の太陽からトリプリシティのレセプションがあるので、友人関係の中でも一対一のときにちょっと燃える展開に巻き込まれがち(土星から太陽にはデトリメントのレセプションなので、本人としてはそういう話を切って、一人で好きな方へ行きたがるけど、土星はペレグリン、太陽はドミサイル&トリプリシティなので、太陽のほうが強い)……みたいになって、冷淡な一人好きな自由人でわりと付き合いも広いタイプのやれやれ系、でも周りからはそれなりに慕われている(太陽からトリプリシティのレセプション)という感じになります。

 こんな感じで読むと、アセンダントは素の自分らしさ・なんとなく取っている態度、太陽は人生の目的・意志なので、太陽(人生の目的)が外物をつうじて気づかされることもあるし、月は落ちつく状態なので、なんとなく取っている態度(アセンダント)が月と不調和、みたいなこともあり得る……みたいな感じで個人的には読むと思ってます……。

(古典の方が内と外の境界が曖昧で、外物が心の中に自然に入り込んでくる感じの読み方で、別に古典がいいとかそういう話ではないけど、アセンダント・太陽・月の違いは感覚的に納得しやすいかもです……。モダンと折衷させる場合でしたら「~~な……と私は関わることになるので、~~な感情を……について持っている」みたいになると思います)

でも、混同させている名家もいる

 ここまで書いてきてあれですが、星座とハウスを混同して読んでいる例(しかも当たっている)がそれなりにあったりするので、混同させるのが全て悪いわけでもないと思っています。

 たとえば、イギリスのデレク・アップルビー(トランスサタニアンなども取り入れたホラリーをする占星術家)は、火星が10室にあれば、10室は山羊座のナチュラルハウスなので、火星にとってエグザルテーションのハウス……というふうに読んでいます。

 これはアップルビー本人も「別に古い占星術にこういう理論があるわけではない」と云っているので、ルールとして成り立つわけではないですが、でもアップルビーの占例をみていると本人がわざわざ書いていないときでも探せば結構似ている例は出てきます。

 なので、重要な天体のエッセンシャル・ディグニティが悪くなくて、さらにハウスのエッセンシャル・ディグニティも良ければ、さらに上手くいく傍証になる……という読み方になっています(さらに、ハウスのエッセンシャル・ディグニティによるミューチュアル・レセプションも出てくる……)。

 あるいはアイヴィ・ヤコブソンはイベントチャートを読むときに、アセンダント星座のナチュラルハウスのカスプがある星座で、チャート全体の表情or質感を読んだりしています(このくねくねしい技法の曲屈と拗折がすごく占いらしい笑)。

 どういう感じかというと、たとえばアセンダント射手座のチャートだと、射手座のナチュラルハウスは9室です。9室のカスプは獅子座、太陽は5室で牡羊座なので、多少無謀(5室牡羊座の太陽。5室は賭けの意)でもどこかに行こうとする(Asc射手座は9室のナチュラルサイン)……のような組み合わせです。

 あるいは、アセンダント山羊座のチャートで、10室は蠍座だった場合をみてみます。10室は表向きに形を取ってあらわれる物なので、10室カスプが蠍座、火星は12室(みえない敵)だとすると、蠍座は死と再生などの意があります。12室に火星があれば蔭から殺される様子、それが表向き(10室)に出てくるので何者かに刺される事件……みたいな読み方です。喩えが不穏だけど。

 ちなみに、この読み方は出生図にも応用できて、たとえば蟹座がアセンダントの人は、月の状態も重要だけど、4ハウスの状態や4ハウスであらわされる物事も重要になる……と読んだり、1室のルーラーとして火星も暗に含めて読む(1室は牡羊座のナチュラルハウス、自分らしさを出していく天体は火星で、Ascは自分らしさ……)みたいな方法も紹介しています。

 というわけで、星座をハウスの違いはあるかもしれないけど、結構混同させてもいい解釈が出てくることもあるよね……的な記事でした(笑)

ABOUT ME
ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)の月天王星海王星合だったりします笑。 易・中国文学などについてのブログも書いてます

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