リーディング

2023年のソーラーリターン

 2022年のソーラーリターンを読んだので、つぎは今年の誕生日のソーラーリターンを読んでいきます。

 ……アウトオブサインを多く含む変則クリスタル。一見して火星・木星・冥王星のTスクエアがかなり危ない。あと、上半分にすべての天体が入っているのも、偏り過ぎの感じがある。

 これを何度か読もうとしたけど、アウトオブサインで意味があちこち捻れたり、複雑にアスペクトが絡み合いすぎていたので、邪道と云えば邪道なのですがこの一年をどう過ごすか易で占ってみたので、その解釈を元にソーラーリターンを読んでいきます。

 まず、ふつうに読んでみると

ASC:蟹座26度  豪華さに満足と幸せを感じ、ソファで読書している人々
火星:蟹座30度  アメリカ革命の娘
MC:牡羊座13度  不発弾

のようになっています。ついでに云うと

DSC:山羊座26度  水の妖精(N海王星と合)
冥王星:水瓶座1度  古いレンガ造りの伝道所(N天王星と合)
(ちなみにN月:山羊座29度  お茶の葉を読んでいる女)

という組み合わせで、トランジット冥王星とN月の合が佳境を迎えている感じが出ています。

 DSC山羊座26度は、山羊座の秩序の奥にある生きた本質・大きい岩山を潤す水のような意味で、冥王星水瓶座1度は、古い秩序から抜け出して西海岸の新天地でしがらみを離れた教えを広めていこうという度数、それが7室なので人間関係でそういうことが強く出るらしいです(ソーラーリターンの11ハウス月・天王星合はN月・天王星合にT冥王星が相次いで合になっている様子にも近く、それが11ハウスにあるのも7ハウスと同じく人間関係に関わるハウスという点で通じています。N月・天王星・海王星合をやや天王星寄りに人間関係面で出している、というのが全体の雰囲気)。

 太陽は11ハウスなので、月と併せて11ハウスの強調という意味になります(11ハウスステリウム)。

 あと、火星がASC合なのですが(火星だけではそうでもないけど、木星・冥王星とハードなのは不穏かもです)、火星はMCルーラーでもあって、MC:牡羊座13度  不発弾とは、何かを狙っていたけれど完成・完結するには至らずに燻ぶっている様子みたいになります。

 火星のサビアン:アメリカ革命の娘はみずからの属する文化的・地域的な共同体を鼓吹するみたいな感じ(蟹座の共同体の完成形みたいな)、ASCはみずからの属する文化の中で、その背景にあることなどを共同体の内部の人たちと一緒にゆったり学んでいる様子です。

 この辺りを併せて読んでみると、今年は何となく妖しい読書会でも主宰して、そこに集う人々は秩序の奥に潜む本質(山羊座26度)や普遍的な思索(水瓶座1度)を好んでおり、主宰者もそのような方面の探求に凝っている時期で(T冥王星N月・天王星・海王星合。月にすべてのトランスサタニアンが乗っているという祭り状態)、主宰者はみずからの属する文化や基盤を学ぶ読書会(蟹座26度)を熱情的に鼓吹して愛して守り(蟹座30度)煽り立てる(火星)。

 もっとも、その読書会は火星・木星・冥王星のTスクエアがあるので、やや熱狂と偏愛(蟹座30度)と普遍的な思索や理論の語り合い(水瓶座1度)に力が注がれ過ぎていて、

木星:牡牛座1度  清らかな山の小川
(山の小川のように自身のうちに豊かな資質が溢れるように、感覚として内に取り込んでいくこと)

が疎かになったりしがちで、どことなく勢いはあっても大きい話になりすぎて不発に終わることも多いけど、魚座海王星もあるので氤々濛々とした雰囲気はすさまじく……というホロスコープです(19世紀末のヨーロッパみたいです……)。

 なんていうか、このホロスコープは何処を読んでもそういう意味しか出てこない気がするのですが、この複合アスペクトはクレイドルだけでも天地儻漭、百花氤氳たる雰囲気の読書会は次第に降霊会になり、瞑想会になり、祈祷会になり、さらには錬丹会になり、庚申講になり、三峯講・戸隠講・熊野講になったりして(水の妖精がいる大山は、厳然たる秩序を持つ霊山なので)、読書会も降霊術も祈禱会も錬丹会もいいのですが、易では「大きい川を渉りたいと逸っているかもしれないけど、抑えて抑えても溢れてくる分だけで十分」という解釈だったので、この読書会はどのような様子なのかみていきます。

11ハウスと12ハウス

 とりわけ意味が気になるのは11ハウスです(太陽・月がある)。牡牛座なので、ルーラーは金星、金星は12ハウス蟹座にあって、11ハウス牡牛座月とミューチュアル・レセプションです(月は牡牛座で高揚でもある)。

 さらにASCは蟹座、ASCルーラーは月なので、11ハウス・12ハウス(あるいは牡牛座・蟹座)の意味は相互に重そうです。この二つのハウスを組み合わせると、隠れて閑散としている場所での集まり、みたいになります。

 さらに、牡牛座には5天体が入っていて、10ハウスにも重みがあるので、それを併せて読んでみると、10ハウスのルーラーは火星、副ルーラーは木星・水星です。

 もっとも、火星・木星はどちらも10室のルーラーなのに90度(火星は1ハウスの副ルーラーでもある)、さらに木星と冥王星(7室の副ルーラー)も90度なので、1・7・10ハウスはハウス同士の角度もルーラーのアスペクトも上手く馴染まない、と読めそうです。

 一方、ASCは蟹座なのでルーラーは月、DSCは山羊座なのでルーラーは土星で、8室魚座土星は12室蟹座金星と120度、さらにASCルーラーの月は12室蟹座金星とミューチュアル・レセプションというふうに、12室金星はASC・DSCと関係がいいらしいです。

 8室はじとじと湿って薄暗いところ、12室は閑散としていて人目につかない裏手のようなところという雰囲気があるので、そこで11室的な集まりをする意味になりそうです。

 1ハウス(自分)と7ハウス(他者)は、12ハウス(韜晦)とは相性がいいけど、10ハウス(その年の精華)とは相性が悪いので、人と関わるのはなるべく隠蔵(かくれる)ようにすると読めそうです。

12ハウス

 そうなると、意外と12ハウスが重いことになってきて、12ハウスのルーラーは水星(10室の副ルーラーでもある)、副ルーラーは蟹座金星です。ちなみに水星は12室の他に3ハウスも司っています(ところで、この水星、火星・木星・冥王星のTスクエアから度数的に遯れるように離れていく感じがあるので、1・7・10ハウスの葛藤から離れていくと読める気がする)。

 さらに、木星は射手座6室と魚座9室を司っているのですが、9室は魚座海王星も居て

のように並べてみると、なんとなくハウスの相性的に3室(双子座のハウス)は水星という感じがします。9室は射手座のナチュラルハウスですが、魚座海王星が在室していて、支配星回帰になっています。一方で、木星は火星・冥王星とハードなのですが、木星が司っているかも知れない6室は、1室火星からみて6つ目のハウス(6つ目のハウスは病気のハウス)・7室冥王星からみて12個めのハウス(12個めのハウスは幽閉・封印のハウス)です。

 一方、9室海王星は1室火星・7室冥王星とソフトアスペクトで、1・7・9ハウスの関係もハウス同士がソフトアスペクトになっていたりと、より9室の様子に似ている気がします。なので、とりあえず6室ルーラーを木星・9室ルーラーを海王星としておくのがいい気がします(木星は9室の副ルーラーかも)。

 12室は魚座のナチュラルハウスで、金星は魚座でエグザルテーション、水星は魚座でデトリメントなので、12室のルーラーは金星という感じがあります(まぁ、12ハウスなので表に出るのは向かないけど)。

 なので、3ハウスは水星(カスプ乙女座)、6ハウスは木星(カスプは射手座。6室は乙女座のナチュラルハウスなので木星とは相性が悪い)、9ハウスは魚座海王星、12ハウスは蟹座金星がそれぞれのルーラーです(ということにしておく、かなり雑だけど)。

9ハウス

 意外なことに、9ハウスのルーラー海王星は、1室火星・7室冥王星とは関係がいいです(同じく9室のルーラーかもしれない木星と、火星・冥王星は相性が悪いのに)。

 木星はより行動的、海王星はより幻惑的な拡大、6室は実際的・実用的なこと、9室は精神的で高遠なことだとすれば、人と関わる場合(1・7ハウス)は実際的な行動に不利(わるく)、茫漠とした話(9室魚座)に利あり、みたいになります。

 さらに9室海王星は11室の太陽とも特にオーブの狭いアスペクトなので、11室(集まり)の内実は9室魚座海王星みたいになりそうです。

サビアンシンボル

 ここまで読んでみると、このホロスコープで重い意味を持っているのは月・金星・海王星みたいになっていて、太陽(11室)をそれぞれ囲むようにして意味を加えているみたいです。サビアンシンボルでは

月:牡牛座20度  雲を作り運び去る風
金星:蟹座13度  とても目立つ親指で少し曲げられた一つの手
海王星:魚座28度  満月の下の肥沃な庭
ASC:蟹座26度  豪華さに満足と幸せを感じ、ソファで読書している人々

のようになります。

 金星の蟹座13度は、本音をいうと記事を書いている上で最も出会いたくないサビアンの一つだったのですが(解釈も諸説ありすぎてわからない)、強いて云うなら「子供を抱く手の様子」だと思っていて、

蟹座12度  メッセージを持った赤ん坊をあやす中国人の女
蟹座13度  とても目立つ親指で少し曲げられた一つの手
蟹座14度  北東の大きな暗い空間に向いているとても年を取った男

の流れでみると、可能性をもった子供を守っている12度、その守っていることに強い確信をもっているときの手の様子をあらわした13度(やさしく抱くと親指は閉じて、しっかり抱くと親指は目立つように開いてくる)、そのまま共同体の外にある暗い空間を見つめる14度という流れだと思います。

 なので、蟹座13度:堅い意思や閉じている安定みたいに云われている意味は同じですが、

月:牡牛座20度  雲を作り運び去る風(牡牛座第四グループの最後なので、牡牛座的な所有が変わっていくことを知っていて、それを受け入れる様子)
海王星:魚座28度  満月の下の肥沃な庭(エドモンド・ジョーンズ説では、魚座は柔軟宮なので間に入って調整すること、魚座の末期度数は精神化しているので、水星座が精神化すると却って物質の中に精神を見出すようになって、菜蔬花草の豊かに茂っている満月の夜の塀の中の静かな庭のように、ふつうの物たちの中に含まれている微細な感情をつなぎ合わせる様子)
ASC:蟹座26度  豪華さに満足と幸せを感じ、ソファで読書している人々(同じくエドモンド・ジョーンズ説では、みずからの属する共同体の中で、その共同体の力を吸い込みながら休んでいる様子)

だとすると、この妖しい読書会は物質やふつうの庭の風景などに宿っていること(海王星魚座28度)を読み解きながら(9室)、その集まり(11室)の中で牡牛座的な安定した所有が変わっていくことを感じながら(月牡牛座20度)、その共同体の力を吸い込んで力を蓄える様子(ASC蟹座26度)みたいになります。「狂気の五部作」とかそれっぽいですね(ソラリタは2~3ヶ月前から影響が出始める)。

 ちなみに、1室は月と在室する火星がルーラー、7室は土星と在室する冥王星がルーラーですが、月・土星はそれぞれ12室金星と相性が良く、月は金星とミューチュアル・レセプションで11・12ハウス(隠れたところでの集会)、土星は8室魚座で、じとじとと低く陰い場所のように伏せられたところにあって、火星は1室(自分の表玄関・門庭)、冥王星は7室(相手の表玄関)だとすると、そのような見えやすい所に行って遊ぶ(5室)、功を急ぐ(10室)は凶、目立たないところでぼんやりとした話をしている(8・9・11・12ハウス)くらいだったら咎なし、という感じだと思います。

 こんな感じで読んでみると、ASCのサビアンシンボルはその年を象徴しているというのは合っている気がします。

 あと、この写真は家の周りを散歩していたとき(たぶん3月頃)に、「これって“雲を作り運び去る風”っぽい」と思って撮った写真。日常生活で見かけるものをサビアンに喩えて考えるようになっているのを感じて、かなり侵食されているのを感じた。写真としては気に入っているけど。

ABOUT ME
ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)の月天王星海王星合だったりします笑。 易・中国文学などについてのブログも書いてます

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