音楽

ジョニー・ウィンター 100万ドルの新開地

 第二回は70~80年代に活躍したブルースギタリストのジョニー・ウィンターです。

 前回のスライ・ストーンと並べて読んでみるとなんとなく金星と火星がきれいな対になっているような組み合わせが美しいです。

 見ていただくと、トランスサタニアンと金星のカイト、水瓶座&双子座オーバーロード、風星座多めみたいな特徴があるのがわかります(ハウスは推定)

 まずは金星とトランスサタニアンのカイトから読んでいきます。金星はきっと楽器の弾き方の好みのような意味になりそうで、サビアンシンボルをみていくと

金星:水瓶座3度 海軍からの脱走兵
天王星:双子座5度 急進的な雑誌
海王星:天秤座4度 キャンプファイヤーを囲むグループ
冥王星:獅子座8度 ボリシェビキプロパガンダを広める人

 金星は水瓶座らしく従来の在り方から抜け出していく感じ、天王星は双子座の中でも素早くてちょっと聞き取れなかったり付いていくのが難しいくらいな速さや奇抜さを添えて(天王星とサビアンの相性が良すぎて、分けて説明するのが難しい)、海王星はキャンプファイヤーをみんなで囲むような一体感に酔わせつつ天秤座ふうにみんなに受け入れやすくしていて、冥王星はやや過剰に主張することを金星に強いているというイメージです。

 ジョニー・ウィンターの傑作としてはやはり『狂乱のライブ』に限ると思っていて、1曲目から120%の勢いで、2曲目で150%、3曲目でも120%、4曲目で100%くらいに落として、5曲目120%で10分以上、6曲目も……という恐ろしいテンションの高さで、なんていうかドラッグの凄さ(怖さ)がわかるアルバムだと思う(これと並んでドラッグの凄さを感じるのはオールマン・ブラザーズ・バンドの『Fillmore East』です)

 しかも怖いのは、オールマンの『Fillmore East』は一人でソロを取り続けることはないのに比べて、ジョニー・ウィンターはほぼ一人で歌って弾いているところで、強烈に主張させる冥王星に圧されつづける金星という印象で、それを支えるのが天王星と海王星になるのですが。

 というわけで金星と冥王星の組み合わせから、大体の魅せ方の雰囲気を掴んだので、ここからはどういうフレーズの作り方をしているかも書いていきます(こういう方向にホロスコープを使っている例は全く見たことがないので当たっているかは微妙です)

異様にテンション高すぎる「追憶のハイウェイ61」
(1:55~2:00、3:45~3:55くらいに天王星っぽいと思っているフレーズが出てきます。『狂乱のライヴ』よりも後に書く純ブルース系の曲のほうが多く使っているけど聞き取りづらいので、あえて目立つ例として。余談だけど3:20~が特に好き。

 まずわかりやすいのは海王星のほうで、キャンプファイヤーを囲むように周囲を一体感の中に調和させて陶酔させるみたいなイメージになるのだけど、ジョニー・ウィンターのフレーズは意外と同じような歌いまわしの繰り返しが多くて細部をわずかに変えたりしていて、むしろそれが安心して一体感や陶酔感を楽しめることにつながっていそうです。

 一方の天王星は、海王星だけだと馴染みすぎるところをあえて裏切るように入ってくるような、不規則でなめらかに上がったり下がるスライドギターがそれっぽいというか、どことなく付いていけない過激な雑誌っぽい動きです(他のスライドギター系の人って、あまりここまで不規則な動きをしている例をみない気がする)

 あと水瓶座には水星もあって、火星・木星・土星とメディエーション(コンプロマイズともいう)になっています。サビアンをみると

水星:水瓶座16度 机に向かう偉大なビジネスマン
火星:双子座15度 会話をしているオランダ人の子供
木星:獅子座21度 興奮した鶏
土星:双子座20度 カフェテリア

のように、ものすごく喋りそうで勢いが高まっていて(双子座の火星・土星)テンション高くて隙間のなさそう(獅子座の木星、水瓶座の水星)な組み合わせは、水星への説明なので伝え方としてあらわれるとすると、金星のアスペクトと合わせてほとんど隙間ない速さで(水星)陶酔と予想外を重ねつづけるイメージ(金星)に合っているような……。

 ジョニー・ウィンターは70年代後半になるとマディ・ウォーターズのアルバムを手伝ったり、ライヴでも一緒に出たりしていて、70年代前半と比べると第一線を退いた感もあるけど、どちらかというと個人的にはこっちのほうが好きだったりします。

 70年代前半の作風は「ブルースっぽくならなかったから、あえてロックンロールでやっていた」と何処かのインタビュー記事で読んだ気がするけど、マディとの共演はよりディープなブルースです。

https://youtu.be/hXiY56gAGck

 とりあえず海王星:キャンプファイヤーを囲むグループ的な繰り返しで陶酔させるフレーズはあるのですが、語尾(フレーズの終わり部分)が度々聞き取りづらいというか、どうやっているのかわからない感じがすると思います。これはたぶんですが、さきに書いた天王星:過激な雑誌的フレーズの変種みたいなもので、フレット(知らない方向けにいうと、ギターで音程の場所をあらわす印のようなもの)がないところにボトルネック(同じく知らない方向けにいうと、弦の上をすべらせて、音階にないような音も滑らかに出すようなもの)を当てて、フレットのないところに抜くような形になっていることが多い気がする。

(これもわかりやすいフレーズだけだと惹きつける感じが弱いように思えて、あえて何を弾いたか分からないフレーズを入れているように思えます。フレーズを作るときの癖のようなもの程度にみてもらえれば……)

 ちなみにジョニー・ウィンターの太陽は、天王星と90度、リリスと180度でつながっているだけですが、サビアンをみてみるとすごく興味深いので書いておきます。

太陽:魚座4度 狭い半島での交通渋滞
リリス:乙女座4度 白人の子供たちと遊ぶ黒人の子供
天王星:双子座5度 急進的な雑誌

 魚座4度のサビアンは、美しい自然に囲まれた半島にリゾートとして開発がされると人々がやってきて新しいものと古いもの、人工物と自然物が混ざり合った魚座の雑多で複雑で渾沌とした感じだと思ってもらえれば近くて、おそらくはそのような曲によってリリスに現れた願望と向かい合うけど、それをするときには天王星の今までにないフレーズづくりが入ることで、ブルースは新しく人を惹きつける音楽になるけれど、それは元のブルース(マディ・ウォーターズの頃のような)とは違うものになっている、ということかもです。

 ちなみにマディ・ウォーターズを知らない方向けに簡単に書いておくと、従来はギターだけで歌っていたブルース(1940年代まで)を、シカゴで現代のバンドにあるような編成で歌うようになって(1950年代以降)、その雰囲気や編成がのちにロックの原型になって……という流れで最初にバンド化したブルースを始めた人で、60年代には後進世代としてバディ・ガイなどのよりロック風のアーティストを育てたり、70年代に活躍したアーティストもマディ・ウォーターズを聞いて育っていたり、という感じだったのですが、70年代に入るとほとんど新しい音楽の流れからは身を引いているような姿で、隠遁期というか低迷期のような印象になっていて、そのときにジョニー・ウィンターが支えてます。

 ジョニー・ウィンターのフレーズは今までのブルース以上にブルーノート(さきに書いたフレット上の整った音程にならない音のこと)が入っていて、それでいてわかりやすいフレーズもあって、より源流に近い奇古なものと新しい流麗なものが混ざり合った半島の自然のような世界、それが次々に畳(かさね)られては落ち着くような煙に巻くような趣きがあると思う(このブログは2記事目にして紹介している曲が70年代後半のマディ・ウォーターズとか、なんていうかセンスを疑う……)

ABOUT ME
ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)の月天王星海王星合だったりします笑。 易・中国文学などについてのブログも書いてます

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